研究

計算眼科学

(医学部眼科講座,慶応義塾大学との共同研究)

本研究では,最新の拡張現実技術を駆使し,視覚障害者の社会生活の質を劇的に改善するアプローチとして「コンピューテショナル・オフサルモロジー(計算眼科学)」と称する技術を開発する.各種のセンシングデバイスを組み合わせて,疾患特有の色覚・視界特性を補整するような視覚的刺激を光学的シースルー/ビデオシースルー型ヘッドマウントディスプレイを介して呈示する方式を開発する.

スマート農業ーSmart agriculture

(地域との共同研究)

Source: https://agri.mynavi.jp/2020_09_11_131278 人工知能技術(AI)と拡張現実技術(AR)を用いた、ぶどうの適粒を効率的に行えるシステムを開発する.

画像への感情ラベルの付与

この研究では、Game With a Purpose(GWAP)の概念に基づいて画像の感情分布を推定し、多様で信頼性の高い感情ラベルを効率的に収集するための、新しい感情画像注釈手法AffectIを提案する。

顔画像生成

似顔絵:事例ベースの似顔絵合成技術は,様々なスタイルの魅力的な似顔絵を生成することができるという大きな注目を集めています.本研究はクロスモーダル距離メトリックとして特徴偏差マッチング法を用いた新しい事例ベースの似顔絵合成システムを提案する.
肖像画:顔画像合成は,ビデオ監視や法執行機関などの公共の安全に潜在的な用途があります.しかし,頭の中にあるものの説明に基づいて画像を描くのは,大多数の人にとって簡単な作業ではありません.この研究では,ユーザーの心の中の対応する画像から顔の画像を作成することができるユーザーフレンドリーなシステムを提案します.

顕著性マップ

人間の視覚注意の仕組みから,画像の各ピクセルがどれだけ注視を集めやすいかを推定し,定量的に表したものを顕著性マップという.顕著性マップは画像認識や物体検出をはじめ,ロボットビジョンや広告デザインなどにも利用されており,様々な分野で注目されている.代表的な既存手法として,Ittiらのモデルでは,色,輝度,方向において,多解像度で視覚特徴量の中心周辺差分を求めることにより,周囲と大きく異なる領域に高い顕著度を割り当てる.一方,図に示すような,画像内のある一点に線が収束する構造をリーディングラインと呼び,人の視線はこのような構造に無意識に引きつけられることが認知心理学の研究結果としても知られている.本研究では,リーディングラインによる視線の誘導効果を考慮した顕著性マップ推定の計算モデルを構築することで,より正確に人の視線の推定を行うことを目的とする.

絵画調画像合成

写真からの鉛筆画自動生成

pencil.20121026.s テクスチャベース流れ場可視化法LIC法で可視化した流れの軌跡が鉛筆画のストロークと似ていることを利用して,写真を自動的に鉛筆画に変換する方法を開発した.画像の顕著マップに基づいてアクセントのある鉛筆画生成やユーザの好みと意図を容易に反映できる対話型絵画調画像生成に関する研究を行っている.>> More

絵画調画像生成

paint.s 我々は,指定した画家のスタイルを写真に転写する手法を提案する.写真が入力として与えられると,提案手法はまず,指定した画家のデータベースから,入力した写真と似た構図を持った絵画を検索する.検索された絵画の色遣いと筆遣いを入力写真に転写することで,その画家のスタイルを反映した絵画調画像を生成する.>> More

フィルムコミック自動生成

film.20121026.s フィルムコミックの自動生成に焦点を当て,創作活動の自動化の新しい技術を提案する.フィルムコミックとは動画作品をコミック化したものである.フィルムコミックは動画からその動画作品の意図を伝えるために必要なフレームを選び,それらをコミックのコマのように配置することによって作成される.フレーム選択の自動化には動画要約の技術を用いる.動画のカット区間を検出する技術と,フェードなどの光学的演出やパンなどのカメラワークを検出する技術を用いて,コミックに使用するフレームを決定する.>> More

テクスチャ合成

テキスタイルデザインの画像処理

(山梨県産業技術センター 富士技術支援センターとの共同研究)

任意の画像をジャカード織物にする技術を提案する.印刷などで用いる画像二値化のためには,ディザ法に代表される数多くの手法が提案されているが,いずれの手法も,一定範囲以内の間隔に経糸と緯糸を上下させる制約条件を持つジャカード織物のためには適用できなかった.この制約条件を満たさないパターンで織られた織物は,糸が長い距離を組織されずに露出することで,外力にさらされた糸の破損や切断を招くなど不都合を生じる.

サンプルベースタイリング

(中国浙江大学CAD/CG国家重点実験室及び国内の大手印刷会社との共同研究)

flowers.s テクスチャ合成技術はそのアプローチにより主に二種類に大別することができる.一つは与えられたサンプルから模様をサンプリングし新しいテクスチャを生成する方法である.もうひとつは物理シミュレーションや擬似関数を用いてテクスチャを手続き的に生成する方法である.サンプルベース方法として,我々は画像の幾何変換とグラフの最小カットを求めるアルゴリズムを援用した画像合成技術を用いて,サンプルから周期的な境界をもつ新しい模様を自動生成する技術を開発した.これにより,一枚の小さなサンプルをもとに,シームレスなタイリングが可能な様々なテクスチャを作り出すことや複数のサンプルの模様をミックスしたテクスチャの生成ができる.

マーブリングテクスチャ作成

(中国浙江大学CAD/CG国家重点実験室及び国内の大手印刷会社との共同研究)

marble.s マーブリングはトルコを発祥の地とし,14世紀ごろからヨーロッパを経て世界各地に伝わった芸術的な印刷技術である.粘性の高い溶液に顔料を滴下し,竹櫛などで攪拌して模様を作り,紙や布に転写させる.攪拌により溶液に流が生じ,その流に沿って顔料が拡散・移動することで模様が形成されるため,マーブリングを計算流体力学の問題として捉えることができる.開発したシステムではグラフィックスハードウェアの並列処理機能を利用してNavior-Stoke方程式及び移流・拡散方程式をリアルタイムに解きながら対話的にマーブリング模様を生成できる.また解法に周期的な境界条件を設定することでシームレスなタイリングが可能な模様が得られ,印刷に直接利用できる.

拡張現実感/3次元形状モデリング

拡張現実感のためのクリックインタフェース

forensic.s 本研究では,クリックに類似したジェスチャの検出と,視覚的なフィードバックの機構を持つインタフェースを提案する.予備実験において,利用者がどのようにクリック動作を行うかを観測することによって,指先の速さおよび急減速を調べることでクリック動作の検出が可能であることを見出した.この事実に基づいて,1台のカメラからこれらを算出する手法を設計した.>> More

拡張現実技術による現場検証用映像生成

forensic.s 本研究では,警察・検察による現場検証用映像のインハウス制作支援方法を提案する.現場検証用映像は秘密情報保持のために外部委託が難しい.また,CG映像制作は専門知識が必要であるために警察・検察が自ら制作することは困難である.本研究では,この問題を拡張現実技術により解決する.現場に多数のカメラを設置し,マーカを配置することで拡張現実環境を実現する.>> More

モノスペクトルマーカ

msm.s 従来の画像マーカでは,観測画像に動きぶれや焦点ぼけが生じたときにうまく抽出できないことがあった.そこで本研究では,動きぶれや焦点ぼけがある画像からでも抽出できる画像マーカを提案する.従来の画像マーカは,高周波成分であるエッジでパターンを表現するものであったため,動きぶれや焦点ぼけによる高周波抑制によって抽出が困難となっていた.我々は,単一の低周波成分のみでマーカを構成することによって,この問題を解決する.>> More

バイオメタルグローブ

BioMetal.s 一般的な拡張現実感の実現方法では,仮想物体との接触を観測画像上で視覚的にのみ提示してきた.接触を視覚だけでなく触覚でも提示することにより,画像からだけでは示しにくい奥行き情報をユーザに知覚させることができる.拡張現実感実現のための触覚提示では,提示装置がカメラ観測の妨げとなってはならない.そこで我々は,軽微な素材であるバイオメタルに着目し,バイオメタルをグローブ表面に縫いつけたグローブであるバイオメタルグローブを開発した.

ヘアスタイルアドバイザ

(大手美容企業との共同研究)

Hairstyle.s ヘアスタイルは外見を決める上でもっとも重要な特徴のひとつであり,ヘアスタイルを変えるだけで人に与える.本研究では入力顔写真に対して似合うヘアスタイルを自動生成する手法を提案する.

Be-code – ロゴ画像への情報埋め込み

Be-code.s 携帯端末にURLなどの情報を入力するために,QRコードに代表される二次元画像コードが利用されている.従来の二次元画像コードは画像自体に意味を持たないことが多く,コードを商品に貼りつけることでデザイン性を損ねることがあった.本研究では,ロゴなどの二値画像を生かした二次元コードであるBe-code(Binary-emblemcode)を提案する.Be-codeは,ロゴのエッジ部分に画素レベルの変更を加えることで,ロゴの見た目を保ったまま情報を埋め込むことができる.>> More

可視化

映像内活動度可視化システム: ActVis

(京都外国語大学・大阪工業大学・京都大学などのグループとの共同研究)

映像閲覧のための情報可視化システムであるActVisを設計し,開発を行った.利用者が複数の監視対象に対して,それぞれパネルと呼ばれる監視領域を設定することができる.パネル内のフレーム間差分量を計算し,映像全体に対して一つのシークバーを生成する.ActVisを利用すると,”何が”起こったまではわからないが,”いつ”起こったかについては一覧できるようになり,効率的に映像を閲覧ができるようになる.>> More

白色ノイズを用いた非正規格子の流場可視化

flow.s 我々は代表的な流場可視化アルゴリズムを非正規格子用に拡張し,これまでに非正規格子用splatting法(高速ボリュームレンダリング法),境界適合格子用流線自動配置法,及び非構造格子用LIC法などの開発に成功している.LIC法は白色雑音画像を流れ場に沿ってぼやけさせたテクスチャを使って流場を可視化する.大局的な情報のみならず渦の中心など局所の詳細も同時に可視化できるため,近年たいへん注目を浴びている.しかし,本来のLIC法は格子のセルと入力画像のピクセルが1対1関係にあるという制約をもつため,非構造格子への適用は不可能であった.我々は白色ノイズを位置座標より手続き的に生成するソリッドノイズ技術を利用することでこの問題を解決した.